台湾の自然はどれほど美しく素敵なのだろう。台湾の高山、森林、湿地、海や数え切れないほどの世にもめずらしい生き物の奥深さを訪ねてみれば、この若い土地に根ざしたたくましい生命力を持つ生き物たちの様子にあっと驚くであろう。
台湾は亜熱帯性気候と熱帯性気候が交わる北回帰線上にあり、アジア大陸の東南端に位置する。四方を海に取り囲まれ、かつて何度も造山運動が起きている。そのため、山々の起伏は激しく地形は複雑で入り組んでおり、典型的な亜熱帯海洋性気候。島全体に山が連なり、渓谷が縦横に貫いている。標高が不ぞろいなこともあり、気候を形成する要素が複雑。亜熱帯性気候の特性も加わって豊かな生命群が育まれ、自然環境が多様化された。植物や生物の多さと希少価値の高さは世界有数で、北半球を代表する生態系の縮図、または世界屈指の自然の宝庫とも呼ばれている。植物、動物、海岸の地質環境、海洋生態など、どれをとっても旅人の目を楽しませてくれる。
【海岸地質】
台湾は周りを海に囲まれた島。海岸線が果てしなく続き、地方によって海岸の景色が異なる。西部は砂質の海岸に属し、砂浜、干拓、砂洲が多く、まっすぐで単調な海岸線が続く。東部の海岸は高山と海に挟まれた沿岸で、猫の額ほどしか平原がない。北部の海岸も東部同様、沿岸の部類に属し、岩石でできた岬と海湾の中間で台湾の海岸線では湾曲が最も激しいエリアである。南部の海岸も沿岸系でほとんどがサンゴ礁からなる。このほか、台湾近郊の離島も地質学習にはうってつけの教室である。澎湖群島の玄武岩でできた方山、金門の花崗岩によって形成された地形、馬祖の海食など、いずれも負けるとも劣らない地質学習を行ううえでの自然の教材である。
【動物・植物の生態】
台湾は生態系種の多様性に満ちた島と言えよう。その数は莫大で、動植物の生態は多種多様である。ドイツにあるような森林や三千~六千万年前の植物といわれるアズキ杉、ヒルギの林、台湾水ニラ、高海抜にある草原、地球最古といわれるアオガエル、山椒魚、台湾ツキノワグマ、雉など世界でもめったと見られない生態の宝庫である。このほかにも、ツツジ、桜、紅葉なども観賞できる。風景区、森林行楽地、国定公園、自然保護区などで生態観察ができ、野外に設置された自然生態の博物館と言っても過言ではない。
また、国定公園は台湾の裏庭のような存在で、陽明山、太魯閣、玉山、雪覇、台江、墾丁、金門は大自然の宝庫とも言われている。壮観な眺め、秀麗な河川などの地理的景観のほか、それぞれ特色のある動物、植物が生育する自然環境は数え切れない。各種の動物、昆虫、魚、鳥、その他の生物保護区はまるで小型の生物観察区のよう。動物保護としてだけでなく、レジャー、環境教育、学術研究の場としても提供されている。都会の雑踏から離れ、大自然の神秘を体当たりで受け止められる絶好の旅の名所である。
このほか、チョウや野鳥観賞の旅に出かけるのもおつだ。
【チョウ見物】
世界には1万7000種ものチョウがいるそう。台湾でも400種類ほどのチョウが見られ、面積比に換算した生息数は世界最多。そのうち、50種類は台湾特有のチョウ。台北県烏來の桶後渓および娃娃谷、三峡の満月圓森林遊楽区、陽明山国家公園、北横公路の角板山、巴陵および拉拉山、太平山の棲蘭、中横公路の谷関、梨山、碧縁渓および翠峰、埔里近郊の南山渓谷および恵?林場、南投県の渓頭杉林渓、高雄県茂林郷の紫蝶幽谷、高雄県美濃鎮付近の六亀黄蝶翠谷、墾丁の社頂公園および南仁山生態保護区、台東のチョウの形をしたみちの蝶谷などに行けばいろいろなチョウの観賞ができる。
【バードウォッチング】
台湾は気候が温暖多雨で植物の生育が盛んなため、野鳥の生息に適している。太平洋西岸の鳥たちが北上する時の通り道にもなっており、留鳥、渡り鳥を合わせた数は440種類にも達し、サギやアジサシなどめずらしい鳥も見かけられる。バードウォッチングの主なポイントは北部の関渡、宜蘭、新竹の客雅河口の沼地や中部では大肚河口および曽文河口、南部では高屏河口など。このほか、澎湖群島、馬祖列島、台北県烏来、鞍馬山、合歓山、渓頭、阿里山、陽明山国家公園、玉山国家公園、雪覇国家公園、台江国家公園、東沙環礁国家公園、太魯閣国家公園、墾丁国家公園、金門国家公園、東北角&宜蘭海岸国家風景区、東部の海岸、花東縦谷風景特定区などもバードウォッチングには絶好の場所となっている。
【海洋生態】
海に囲まれている台湾は海洋生物の形態が量、数ともに豊か。墾丁および緑島周辺の海は比較的温暖かつ透明度が高く、カラフルでおもしろい形のサンゴが生長するのに適した環境である。海底はまるで竜宮城の庭のようで、いろいろな熱帯魚が悠々と散歩するのに最適な場所でもある。澎湖の望安、東嶼坪、台東県の蘭嶼ではアオミドリガメの産卵が見られる。このほか、東海岸あたりをはじめ、宜蘭、花蓮、台東沖で台湾クジラがよく出没する。クジラの6割以上が台湾でよく見かける品種だといわれる。船上からの発見率は90%を上回り、ガイドの説明も受けられる。
台湾は自然生態の宝庫でもある麗しの島。ここに足を踏み入れると、森や川、海のいたるところでびっくりするような自然生態が見られる。めまぐるしい変化を遂げる大自然の景色を眺め、みなぎる自然の生命力をまるごと感じたいという旅人はぜひ「台湾生態探検ツアー」に参加し、思う存分楽しんでもらいたい。